世界で大きな課題となっている食品ロス。これまで、廃棄される食品を減らす取り組みはさまざまなところで見かけたことがあるでしょう。しかし、海外では食品廃棄物をリサイクルして美容コスメを作り出すという、めずらしい取り組みが広がりつつあります。その美容コスメが今、海外でトレンドになっているのです。そこで今回は食品廃棄物をリサイクルして作られる美容コスメについて紹介します!
世界では食品廃棄物が大きな問題となっています。賞味期限切れや食べ残し、作り過ぎなどが理由でまだ食べられるのに捨てられてしまう食料は1年間で13億トン。これは世界の食料生産量の3分の1にあたります。
もったいないだけでなく、この食品廃棄物を燃やして処分する際には二酸化炭素(CO2)が発生するうえ、灰を埋め立てるにも環境負荷が掛かっています。
そんな食品廃棄物の問題を解決するために生まれたのが、食品廃棄物をリサイクルして作られる美容コスメです。通称「アップサイクルコスメ」と呼ばれています。アップサイクルとは、本来捨てられるものに新たな価値を持たせ、別な製品へとアップグレードすることです。
環境負荷の少ないパッケージや、添加物を使用しないオーガニック由来のコスメなど、環境に配慮したサステナブルな美容製品はこれまでもありました。
しかし、食品廃棄物から新たな製品として生まれる「アップサイクルコスメ」は美容業界の次なるSDGsの柱ともいえるほど、革新的なアイディアといえるでしょう。
アップサイクルコスメは、人間にも環境にもやさしい美容製品として、海外でトレンドになっています。
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アップサイクルコスメは、どんな食品廃棄物をリサイクルして作られているのでしょうか。海外で人気のアップサイクルコスメからいくつかの例を紹介します。
英国のあるアップサイクルコスメメーカーでは、廃棄されたフルーツを原料としたリップクリームを製造しています。ココナッツ、マンゴー、パイナップルなど…15種類の廃棄フルーツが使われており、これらが原料の70%以上を占めています。
環境汚染の原因となる化学物質や動物実験も行われない、地球環境にやさしいリップです。フルーツの素材が持つ、保湿効果を実感できます。
また、英国の別なアップサイクルコスメメーカーでは、コーヒーのかすをリサイクルした美容コスメを販売しています。
コーヒーを淹れた時に出る「かす」は、本来ごみとして捨てられてしまうもの。その量は想像以上に膨大で、ロンドンだけでも年間50万トン以上のコーヒーかすが出るといわれています。ごみとして処分する場合、燃やす際の温室効果ガス発生や埋め立て地の環境負荷などの問題が起きます。しかし、これらの問題を軽減できるのが、コーヒーかすをリサイクルした美容コスメです。
コーヒーかすにはカフェインや抗酸化物質など、肌に良い成分が含まれています。その美肌成分を利用して、ボディスクラブやアイクリームといった美容製品が海外で続々と登場しています。
コーヒーをよく飲む人も、コーヒーかすで作られたコスメを使うことで、アップサイクルの良い循環が生まれるのではないでしょうか。
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フランスのあるメーカーでは、廃棄されたバナナからアップサイクルコスメを作っています。
実は生産されたバナナのうち、形が悪い、傷があるなどの理由で規格外となり、売場に並ばずに廃棄されるものは少なくありません。その量はヨーロッパで1年間に輸入されるバナナのうち4万トンともいわれます。
そんなバナナの廃棄問題を改善するために生まれたのが、廃棄されたバナナから作る美容コスメです。バナナにはビタミンBやポリフェノールといった美容成分が含まれています。
そんなバナナの美容成分を活かし、フェイスオイルやクレンジング、フェイスクリームやリップバームなどさまざまな美容コスメが登場しています。
バナナを食べるだけでなく、外側からも美容成分を取り入れてみたいという人におすすめです。
食品廃棄物が、美容コスメとして生まれ変わることに、驚かれた人も多いのではないでしょうか。今までなんとなく捨てていたものが、実は大切な資源だったということに気づくきっかけになるかもしれません。
食品廃棄物に新たな価値を見出し、よみがえらせるアップサイクルコスメ。同時に化学物質の使用も動物実験も行わないという、環境へのこだわりをもつメーカーも多いです。今後、海外から日本にどんどん浸透してくることでしょう。
地球も自分も美しくなれるアップサイクルコスメを、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。